7月14日の夢(ウナギとアンドーナツ)

 クライアントの特約店会議のための準備が始まっている。他のスタッフに先んじてぼくは2日前から、クライアントのオフィスへ行き、準備会議に参加する。特約店会議では会議の前に必ず映画が上映される。今日はその試写があるのだ。映画が終わったあと、深夜まで会議があり、この映画のどういう点が特約店への教訓となるかを議論するらしい。夜食用だろう。バケツの中にアンドーナツが山のように盛られている。ぼくは会議が始まる前にさっさと帰る。そんな教訓など、上映する映画を決めた段階で、決めた人がわかっているはずではないか。
 その翌日も準備会に、今度は会社の同僚たちと共に出かける。やはり試写が終わったところで、ぼくは1人帰ることにする。皆がエレベーターで下へ降りるので、ぼくは階段を駆け下りる。しかし、十一階だったことを忘れていた。心臓がばくばくする。一階に着くと、ちょうどエレベーターも着いたところで、みんなと合流してしまう。ぼくの会社は孫請けだが、下請けのHIASとかいう代理店がちゃんと夕食の個室をレストランに予約してくれていた。奥のIさんの席の隣が空いている。そこへ座りたいなあと思うが、食事は立食だった。一番奥の大皿は影の中で暗いが、中にウナギのかば焼きがいっぱい盛ってある。好物なので自分の小皿にとる。次の大皿は少し明るいが、そこにも串に刺したウナギのかば焼きが盛ってある。ぼくは大喜びでそれも取る。さて、食べようとすると、席がない。外国人の初老の男性が大きな丸椅子に座っているので、そこにかけさせてもらうと、椅子ががくりと動く。男性に謝って顔を見ると、サッカーの日本代表監督のザック氏ではないか。それから、ぼくはIさんに、「ぼくは昨日もこの会議に出たから、今日は帰るよ」と通告する。
 そして店を出ようとすると、1人離れて前編集長のK女史が座っている。Kさんは生意気そうに煙草をふかしながら「あれはどこだったかしらねえ?」と言う。ぼくも冷ややかに「さあ、忘れましたよ」と答える。「野辺山だったのではないの?」と彼女。「ああそうでしたね」とぼく。

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