11月22日の夢(巨大桜)

 東北地方の海岸線を旅している。山の迫るさびれた道路をとぼとぼと歩く。海は見えない。
 ところが角を曲がったとたん、視界が明るくぱーっと開けた。そこは湾になっていて、その一番奥の海岸にピンクの巨大な桜が咲いている。青空のもと見上げるほどの大きさ。これが名高い「〇〇桜」なのだろう。地面もピンクの雪が積もったようになっている。ピンクの花びらが吹雪のように舞い、現実とは思えない幻想的な美しさだ。
 旅館に戻る。旅館は旅人でいっぱいで、部屋の中は足の踏み場もないほどだ。それも皆夕食の卓を囲んでいる。しかたがないので、みんなの食膳の上をぴょんぴょん飛び跳ねるようにして、奥へ向かう。
 部屋の一番奥がぼくたち夫婦のスペースなのだが、妻の姿が見当たらない。「ママー!」と呼んでみる。近くのベッドからずり落ちそうにして眠っている中年の男が寝ぼけて、「おーっ」と返事をする。
 翌朝、部屋で同僚のSと共に出勤の準備をしている。そこへ目の覚めるような青い上着を着た上司がやってきた。ぼくたちは「おはようございます」と挨拶をする。Sはぼくに「着替えます」と言い、作業着に着かえる。彼のハンガーには沢山の服がかかっていて、仕事のときとオフのときは別の服を着るのだ。ぼくは1着しか服を持っていないので、仕事の準備といっても、ただ上着を脱ぐだけだ。

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