4月30日の夢(階段を下る船)

 社会見学で運河を下る船に乗ることになる。いいアイデアを思いついた。理事会で「お歳暮を船中で買って配れば安くなりますよね」とその考えを披露してみるが、理事たちは皆黙って苦笑するばかりで、賛同者がいない。ぼくは船で買ったお歳暮をカバンに入れていたのだが、結局出せずじまいになる。
 さて、その船に乗ってみた。隣には元サザンの桑田さんがいる。彼は写真が得意で、「これから撮影するから、あれを片づけて」と言う。あれって何のことだろうか。「対岸のもの?」と尋ねる。そうではなくて、すぐ目の前の手の届く壁にかかった小物のことだった。桑田さんはカメラのシャッターを押し、その場でプリントを取り出す。ポラロイドカメラのようだ。見ると、素晴らしい傑作である。そのとき船はいよいよ運河の最終地点にさしかかった。ここからは運河が階段状になっており、船首をぐっと前に傾け、階段をがんがんがんと降りていく。最後に築地のような大きな魚市場に着いて、船旅は終わった。
 船を降りると、そこはお茶の水である。昨日妻が喉が乾いたので、このビルに入ると村上春樹がバーテンをしているバーがあり、そこでトマトジュースを注文して飲んだという話を思い出す。ぼくもビルに入り、二階に上がってみるがそれらしい店はなく、一階からまた外に出る。たむろしていた若い男女がうさんくさそうにぼくを見送るが、無視をする。

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