1月30日の夢(宇宙の財宝)

 ここは宇宙基地の中。正体不明の組織が命知らずの若者たちを勧誘し、宇宙の財宝を盗んだ。ぼくも勧誘された仲間の一人だ。
 その拠点となっている部屋にぼくを含め、3人の男と一人の女がいる。いや、正確に言えば女は実は人間ではなく、ロボットである。ほかに熊と鳥がペットとして飼われている。ぼくともう一人の男は一仕事しに出かける。後に残った男は金盥のようなものに毒を溶かして、しきりにかき混ぜている。
 ぼくと男が部屋に戻ると、部屋はしんとして誰もいない。入り口のそばに布のおおいのかけられた場所がある。布の一部をはぐと、ペットの熊と鳥が死んでいる。さらにはぐと、毒をかき混ぜていた男も死んでいる。彼はそれが毒だと知らなかったので。
 ぼくと男はすぐにここを撤収しないと、敵に攻撃されると思う。盗んだ財宝を持ち出さなければならない。しかし、それはどこにあるのだろう? 男が地下からそれを持ってくる。残されたメンバー3人で分担してそれを運び出す。しかし、どう見てもそれらは財宝には見えない。ガラクタのパーツのようだ。これはいなくなった女ロボットが解体された姿ではないのだろうか。
 外に宇宙船が着陸する音がする。ぼくはそれを男に指さし、「あれで逃げる」と言う。3人は宇宙船に向かい、走り出すが、あらかた地面に落としてしまう。それでもいくつかの財宝は無事本部に届けることができた。
 本部ではぼくらを迎え、円卓の周りにぼくらを座らせ、財宝奪取成功の祝賀パーティーが開かれる。ボスが「さあ、これを飲みなさい。この砂糖のようなものを振りかけるとおいしいよ」と言う。飲み干して、顔を上げると、さっきの男だけが死んでいる。言われるままに砂糖のようなものを溶かせて飲んだのだ。だが、ぼくはそれがさっきの毒であることを知っていたので、飲まなかった。
 それを見て、本部のスタッフの緊張がゆるみ、みんなが笑顔を見せる。実はこの組織は宇宙に一番大切なものを取り戻すためのチームで、その活動に耐えられる者をこうやって選抜していたのだ。だが、殆どの者はさっきの男のように、自分の欲に目がくらんでしまう。ぼくはその選抜試験のすべてに合格したのだ。さあ、また新しい仲間を探しにいかなければならない。
 女性スタッフの1人が「さあ、これから私の手作りの笛を吹く練習をしよう」と言って、ぼくらを外に連れ出す。外には雪が降っている。笛は指で開閉する穴が沢山あいているが、やわらかくて、まるで餡ドーナツのように見える。女性は「練習は5時からです」と言う。それまで待たなくてはいけない。「その間、打ちあわせに行ってくるね」と言って、ぼく以外はいなくなってしまう。2つの笛を持ったぼくと女性だけがそこに残される。

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