8月14日の夢(角卓パーティー)

 出版業界のパーティーに出席する。大きな四角形のテーブル一つを皆で囲んでいる。誰一人知っている顔はなく、ぼくはひたすら出された料理をぱくつく。
 途中で会場を抜け出し、ぼくは実家のあった名古屋の覚王山の夜道を歩いている。この丘を降りれば実家だと思うが、時間がないので、途中で引き返す。
 ぼくは居眠りしていたのだろうか。気づくとテーブルを囲む人々がぎっしりいっぱいになっている。右隣に座っていた痩せた中年の男が「新人賞というものは不要だ。そんなものなくても、人気作家は誕生する」という演説をする。ぼくはすぐそれに反論し、「大衆的な人気だけに頼っていては、本当に良い作家は世に出られない。たとえ百人の読者のうち1人だけしか認めなくても、本当に素晴らしい新人を見つけるためにし、新人賞が必要だ」と主張する。男は苦笑して、黙ってしまった。
 しばらくして、年寄りの出席者が「あの時、みんな笑っていたのに、あんなこと言いだすとはなあ」と言う。「えっ、それってぼくのことですか」と尋ねるが、「違うよ」と答える。
 もう食器をウェイトレスが次々と下げに来ている。ぼくは大慌てで残りの料理を詰め込む。誰かが閉会の挨拶を始めた。年配の男性のように見えるが、声を聞くと女性である。

カテゴリー: パーマリンク