3月27日の夢(空飛ぶオートバイ)

 勤めている出版社が森の中の新しいオフィスに移転した。部屋の中に木々の枝や蔓が這いこんでいる、とても美しい建物だ。壁には小さく縮んだミイラが飾られている。よく見ると、ミイラは生きて動いており、壁を伝わってぼくから離れていく。その様子を見ながら、ぼくはお茶を飲む。床は乱雑にいろいろなものが散らかっている。歩いているうちに、ぼくの靴下が片一方だけ脱げてしまった。探すが見つからない。床には同じ緑色だが、ぼくのものより少し色の薄い靴下が一足ある。しかたなく、ぼくはその靴下の片一方をはく。隣のテーブルには詩人の相沢さんがいる。
 窓の上には木製の神棚のような場所があり、そこは皇族の王女のいる場所だ。挨拶のために、同僚の女性とそこに上る。女性は先に上がってしまい、縄梯子で苦闘するぼくに「きれいに上がってね」と声をかけてくる。王女は血筋のわりには顔が美しくなく、貧相な女性である。ようやく上ることができたのに、「狭いから、あなたは来てはだめ」と断られてしまう。
 その瞬間、ぼくはオートバイのようなものに乗せられ、運転手の背中につかまったまま、空中へ猛スピードで飛び出した。オートバイは樹木や電柱など、いろいろなものに接触しながら高速で上昇する。空中で何かにぶつかるのではないかと、とても恐ろしい。

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