5月24日の夢(取り残される)

 せっかくお休みがとれたので、ドイツへのツアーに参加した。たいした参加人数ではないのに、人手不足のせいか待遇が悪い。ろくな夕食にもありつけないうちに、すぐ宿舎に戻された。マイクロバスが来て、メンバーをどこかへ連れていくらしい。ぼくも一緒に乗り込もうとするが、女性コンダクターが「もう満員なので、次の便を待ってください」と言う。しかたなく、他の数名とホテルに取り残される。海岸に出ると、夕日が沈むところだ。西空から大きなヘリコプターが頭上を通って、帰っていく。あのヘリコプターからぼくらは撮影されていたのだなと気づく。
 コンダクターが戻ってきた。ぼくに「あなたはあまりにもひどい声をしているけれど、歌えますか? あなただけやめましょうか」と尋ねる。これは歌のステージに出るためのツアーなのに、歌えないなんてひどい。それに、ぼくの声がそんなひどいなんて思えない。「とんでもない。歌えますよ」と、ぼくは言い張る。横から男性も「この人は声がいいんです」と加勢してくれる。
 宿舎から外へ出る。雪が降っている。ここはドイツなので、暖かくなると雪が降るのだ。雪景色なのに、生暖かい風が吹いている。迎えのマイクロバスが戻ってきそうもないので、ぼくはトイレへ行くことにする。さっき、ちらっとトイレの位置を確かめておいたのだ。だが、並んでいる便器だと思ったものは、そういう形の物入れで、トイレではなかった。コンダクターが「さっき、ある部屋に水があふれたというクレームが来ましたが、何かありましたか」と質問してくる。しまった。ぼくがトイレ代わりにしたことがバレたのだろうか。
 ふと後ろを振り返ると、遠くの方にマイクロバスが到着し、他のメンバーが急ぎ足で乗り込むのが見える。これでは、またぼくひとり取り残されてしまうかもしれない。

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