7月7日の夢(赤いスーツケースと黒いリュック)

 観光バスで日本全国を旅して歩いている。現在の日本は人口がとても少なくなり、自然の中に巨大な一軒家がぽつんぽつんと存在しているだけ。今日ようやく日本一周の旅を終え、ぼくらは大きなスーツケースを抱えてバスを降りる。ぼくは出口に巨大な戸板のような赤いスーツケースを、飛行機の脱出口のように斜めに立てかけ、そのスーツケースを踏まないように気をつけて降りる。だが、うっかりして黒い自分のリュックを車内に置いてきてしまったことに気づく。「ちょっと待って。荷物を取ってきた方がいいかな」と、ぼくは誰にともなく言い、車内に戻る。すると、バスの中は賑やかな中学生たちでいっぱいだ。「ちょっと待って。ぼくの荷物がないかな」と声をかけるが、誰もぼくのことなど気にかけない。バスは今にも発車してしまいそうだ。

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