1月5日の夢(帰れない)

 夜、どこかで取材が終わり、JRの駅から電車を乗り継いで帰宅しようと思う。だが、ここは初めて来た場所なので、どう乗り継いだら帰れるのか見当がつかない。路線図を見上げていても分からないので、窓口の女子職員に帰り方を尋ねる。すると女子職員は左手の切符の自販機を指さし、ぼくに小さな鍵を渡して「ふつうの切符ではここからあなたの家には帰れません。この鍵をその自販機に差し込んで、右に回すと、あなたの家に帰る特別な切符が買えます」と言う。ぼくは鍵を受け取るが、まごまごしていると、彼女は窓口から出てきて、自分で自販機に鍵を差し込む。すると、自販機から畳まれた白い手紙のようなものが出てきた。「さあ、これがあれば、あなたは逗子海岸まで帰れます」と彼女は言う。ぼくの知らない間に、ぼくの家は逗子海岸に引っ越してしまったのだろうか、とぼくは呆然とする。
 駅の外に出ると、Iくんがいる。彼は以前ぼくと対立していた男だが、ぼくを助けようとしてくれているらしい。おんぼろのタクシーが目の前に停まる。どうやら自販機から出てきたチケットはこのタクシーのものらしい。タクシーのドアを開けると、運転席ではなく、座席の下に二人の中国人の男が隠れている。Iくんは二人の名前を呼び、間違いなくぼくの乗るタクシーであることを確認する。
 タクシーが止まったところは逗子にある青少年のための養育施設だった。ちょうどパーティーが終わったところで、広い部屋に沢山のテーブルが並び、食べ終わった皿がそのままになっている。入所者の男がそれを片付けようとしているのを見て、ぼくも手伝うことにする。
 片付け終わって、外に出ると、そこは下へ降りる幅の広い階段で、沢山の施設の職員の男女が意地悪そうな顔をして並んでいる。ぼくは家に帰ろうとするが、彼らはぼくをここから出すまいとして邪魔をする。怒ったぼくは狂暴な怒鳴り声をあげて、棒を振り回す。棒は新聞紙を丸めて固めたもので、小学校か中学校の運動会で使ったもののようだ。ついに、彼らは一人もいなくなり、ぼくは階段の下にたった一人取り残される。すると、またIくんが現れ、ぼくに「さあ、家に帰ろう」と言ってくれる。

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