10月2日の夢(オーディション)

 ぼくの女友達は毎年、スターを発掘するためのオーディションに応募している。彼女に付き合って、ぼくも演技をしてみせる。その結果を知らせに審査員が、ぼくらのいるビルにやってきた。彼は女友達ではなく、ぼくがオーディションにパスしたと告げ、衣装を一式どさっと床の上に置く。ぼくは辞退したい。だがせっかくだから、演技たっぷりに辞退したいと思う。衣装をわざとらしく布でくるんでいると、審査員が不審な顔で「何をしているのか」と尋ねる。ぼくは「もう七十歳だから、お断りしたいのです」と、最後の決め台詞を言おうとするが、フロアには事情を知らない若者たちがぎっしり詰めかけていて、ぼくが演技するスペースがない。

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