10月24日の夢(床掃除)

 会社で暇をもてあましていると、フリーのライターがやってきて、隣に座った。彼女が上司と打ち合わせをする間、ぼくはなんとなく彼女の原稿を手に取って眺めるうち、無意識に原稿の校正を始める。それはA5判四ページの冊子になっていて、書いてあることが動画として見える。男女のカップルが湘南の遠浅の海の中で遊んでいる動画だが、二人の姿が見たことのない文字になっている。これは明らかに誤植だ。一つでも誤植を発見したことで、自分がまだまだ会社に貢献できることを証明できてうれしい。ライターはぼくに「やはり現場によく取材に行かれるんですか」と質問する。ぼくは「いやあ、六十代の前半くらいまではよく行きましたが、今は体力的に無理ですよ」と答える。
 オフィスの床は土間である。その土間の真ん中にゴミがいくつも落ちている。しかも、割れたガラス瓶のかけらで、とても危険だ。ぼくは棒の先に金属の部品のついた道具で、それをかき集める。かたわらで社長がスタッフと立ち話をしながら、自分の靴でやはり落ちているゴミをかき集めている。ぼくは社長に「それはぼくがやりますから」と言う。
 そのためにも箒が欲しい。総務の社員に箒のありかを尋ねようと駆け出すが、あいにく電話中だ。戻りかけると、壁にさまざまな箒がいくつも立てかけてあるのを発見する。ぼくはその一本を選び、勇んでゴミのある場所へと戻る。

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