8月9日の夢(上司の多い編集部)

 ぼくはファッション雑誌の編集部にいて、とても忙しい。デスクの上には大型モニター付きのパソコンがあり、そこに見開きページの組版を表示しながら、原稿を書いている。ぼくの上には男性二人、女性一人と三人もの上司がいるので、それぞれの命令を聞くのがとても煩わしい。直属の男性上司は痩せた初老の男だ。ぼくに「コートのことで話がある」と言う。「どのコートの話ですか」と言いながら、ぼくは席を立って、彼の後についていく。けれど、編集部の中は駅の構内のようにごった返していて、彼の姿を見失ってしまい、しかたなく自席に戻る。
 一つ無人のデスクを隔てて、左には新入女性部員が二人いて、女性管理職から回覧板を受け取り会話している。しかし、回覧板はぼくのところには回ってこない。
 女性管理職は今度はぼくの席へやってきて、原稿を書き直すよう注文をつける。原稿段階に戻って書き直すのは面倒なので、デスクトップに表示された見開きの組版からテキストを消して、書き直そうとする。だが、どうしたらこのテキストを消すことができるだろうか? いつのまにかパソコンのモニターは女性管理職の顔になっていて、その顔から原稿を消そうと押したり引いたり四苦八苦するがどうしても消えない。新入社員たちの手前、先輩としての威厳を示したくて、ぼくは焦る。

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