デパートのようなビルのワンフロアを占めて、マーケットが開催されている。ほとんどの店がコンクリートのフロアに直接商品を並べ、店員も床に座っている。フリーマーケットのような雰囲気だが、扱っている商品は百均のような感じ。ぼくはマーケットを一周しながら、目についたお店でビニール袋を一つ籠に入れる。それを見た別の店の男性店員が「しまった! 和風の袋にはうちの商品は対応してない」と独り言を言う。それを聞いて、ぼくは「そうか。間違えて和風の袋を買ってしまったのだな」と気づく。他の店を覗くと、洋風のメッシュの袋も売っている。籠の中の商品を返品したいが、それも気まずい。木製の棚を並べた店があり、がらんとして殆ど商品がないのに、髭を生やした男の店員が店番をしている。その店の棚の裏側に、ぼくは何食わぬ顔で和風の袋を置き去りにする。そしてさらにマーケットを一周するが、結局何も買わずにビルの外に出る。
そこにはぼくの学生時代の友人で今は松山在住のHくんがもう一人の男と待っていた。Hくんはぼくに「オーストラリアの飛行機の話を知っているか?」と尋ねる。ぼくは「昨日、オーストラリアから飛行機に乗って帰って来たところだ。思いつくのはそれだけだよ」と答える。そして「きみの言っているのは、飛行機が泡のような悪魔の上に乗って飛んだ事件かな。泡が空の上で弾けたために、それに乗っていた飛行機は墜落してしまったんだ」と言う。もう一人の男は驚いて、「そんなことが本当にあったのか?」とぼくに尋ねる。
」