12月30日の夢(父のパソコン)

 父が巨大なパソコンを操りながら、ぼくに「そんな写真ばかり撮っていると、いつまで経ってもいい写真が撮れないぞ」と、後ろ向きのままで言う。巨大なパソコンにはいくつかのモニターがあり、比較的上方にある小型モニターに、ぼくが最近撮影した赤い花のアップが写っている。確かに花をアップしきれていない中途半端な構図だ。ぼくは「ぼくだって10枚撮って、1~2枚しかこんな写真は撮りませんよ」と反論する。父のパソコンは手元に大画面のモニターがあり、そこから一メートルほど奥にある中画面のモニターと本体との奥行きを自由に深くしたり、画面を360度回転させたりもできる。まさに最新式のパソコンである。
 ぼくは父の後姿に「写真の編集ですか?」と声をかける。父は「そうだ」と答える。ぼくは知っている。ぼくが今専門的に研究しているテーマは「父から見た息子という関係」、そして父が研究しているテーマは「息子から見た父という関係」。互いに相手と自分の関係を心理分析し合っているのだ。
 玄関の開く音がはしたので出てみると、小学校低学年の女の子が土間に入り込んでいる。おもちゃで遊んでいるうち、そのおもちゃにつながる黒い麻糸が、脱ぎ散らかされた靴やつっかけの間にからまってしまった。ぼくは彼女の存在には気づかないようなふりをして、麻糸をそっと解こうとするが、ますますこんぐらかってしまい、「あれっ?」と声を出す。

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