1月23日の夢(工作員)

 地方の都市に出張するため、新幹線に乗る。車内は真ん中の通路をはさんで左右に二列ずつの座席が並んでいる。ぼくは左の通路側の席に、通路にまで荷物をはみださせて座っている。ある駅に着いたとき、ぼくの後ろに座っていた乗客の男が大慌てで駆け降りていく。彼が巻き起こした疾風のため、ぼくは跳ね飛ばされてしまい、気がつくと右の通路側の席に移動している。元の席に戻ろうかと思うが、左右どちらの席も窓際に若いサラリーマン風の男が座っており、居心地は同じだろう。そのままその席に座り続けることにする。
 車両の外に出る。新幹線の中なのに、ビルの中のような階段がある。席はまだ空いているのに、通路や階段の両側に男女の乗客がたくさん黙って立っているのが、ちょっと異様だ。しかも床はどろどろでところどころ黄色い汚物がたまっていて、とても汚い。その上をぼくはおそるおそる爪先立ちで歩いて渡る。
 やっと渡りきると、列車はぼくの降りる駅に着いたところだ。荷物を持って降りなくてはと焦るが、ぼくの乗っている新幹線は何本か先のプラットホームに停車している。ぼくは慌ててホームからホームへ次々とジャンプして飛び移る。ようやく目指すホームに着いた。だが、そこは先頭車両より前方なので、自分の席まで走っていくのは大変だ。
 ようやく荷物を持って、ホームに降りる。人のいない駅ビルの中にきりっとスーツを着た女性工作員がぼくを待っている。彼女はぼくから荷物を受け取って開く。中身はラーメンだ。それを用意した二つのうどん用どんぶりに入れる。さらに毒入りの粉を振りかけると、ジュージューと音がする。爆発するのではないかと、ぼくはこわごわ階段の壁の陰に隠れるが、もちろん爆発はしない。ぼくらは再び粛々と作業を続ける。

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