12月28日の夢(北村太郎さんとの飛行)

 詩人の会合に出席するため、飛行機に乗る。コロナで搭乗者が少ないため、座席は二つ並んだ席が前後に二列しかない。しかも座席はベッドのように大きく、前列と後列の間にほとんど隙間がない。そこに無理やりぼくは体を押し込むようにして座る。
 だが離陸するとき、座席は四つが横一列に並び、ぼくら乗客は窓から遠ざかっていく地面を眺めている。ぼくの左隣に座っているのは、故人である詩人の北村太郎さんだ。話し始めたときには座席は再び二列になり、しかも前後に向き合う形になる。「そういえば北村さんはぼくの会社に何度かいらっしゃいましたね」と話しかけるが、彼は思い出せない様子だ。「S社ですよ。ほらKのいたS社です」とぼくは畳みかけるが、やはり北村さんは怪訝な顔だ。「政府のキャンペーンの仕事をしていたのですが、あれは下請けの下請けでした。間に何社も入っているので、結果的に経費がものすごくふくらむのです。おまけに、途中に入った人が、自分のしたい仕事は自分でやろうとするから、とっても面倒くさくなるんです」とぼくが言うと、北村さんは困ったように苦笑する。

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