4月8日の夢(入社試験)

 ぼくがかつて在籍したS社の入社試験が行われている。ぼくはもう関係がないのだが、見学に行く。社運隆盛のS社だがこんな時代なので、あえて自社ビルを爆破し、建物は意図的に廃墟にされている。そこは玉砂利を敷いた清潔な墓地のような場所で、左側の一段高い敷地にあるS社の前には200名ぐらいの入社希望者が集合中だ。ベランダのような場所で社長がハンドマイクを持って挨拶しているが、マイクが壊れているのか、その声は聞こえない。ぼくは一段低い右側の敷地に座って、簡素な弁当を食べている。ぼくの前方にもS社の入社希望者が玉砂利の上に腰をおろしている。最後尾に座っているのは、北方に住むイヌイット系だろうか、毛皮を着て、妻子を連れた男性である。「このコートを脱いだ方がいいかな」と妻に話しかけている。そこへS社の女性社員がやってきて、男性に声をかけ、入試のための試問のようなことをし始めた。
 ぼくはその場を離れて歩き出す。周囲は南方のジャングルのように樹々が密生し、バケツをひっくり返したような雷雨である。トイレに入ると、そこは男の子を連れたお母さんなど先客でいっぱいだが、豪雨のせいもあって足元が汚い。用を足すべきかどうか迷っているうちに、トイレの外に続く長い行列ができている。これではいつ順番が来るか分からないので、あきらめてそこを立ち去る。

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