4月24日の夢(駅を探して)

 夜の路地裏を駅を探して歩いている。途中、あちらとこちらを隔てる腰までの高さの鉄柵があり、その扉は閉じられていないので、ぼくは「道路のはずなのに、なぜこんなところに柵があり、何と何を隔てているのだろう?」と不審に思いながら、その柵の向こう側に出て、なおも歩く。空腹感もある。
 前を歩いていた中年の男たちがぼくを振り返り、「高円寺駅はどこですか」と尋ねてくる。ぼくは「さあ、ぼくはこの辺の者ではないので」と一瞬ためらうが、直観で「この先が駅ではないですか」と指さす。男は「いや、さっき訊いたら、あそこは〇〇〇〇だと聞きましたよ」と反論する。ぼくは「だって、ほらそこが駅じゃないですか」と、右上を指さす。暗い民家の屋根の上にプラットホームのシルエットがあり、そこに何人かの電車を待つ乗客たちの姿も見え、ぼくはとょっとほっとする。その右手のホームにはポールのついたチンチン電車が止まっており、まるで昭和初期の駅ようだ。驚いてさらに左に目をやると、ホームはL字型に曲がっていて、現代の電車が止まっているのが見える。
 その電車に乗って、昨夜の撮影現場に戻る。そこは四谷あたりの公園で、昨夜はここで大がかりなCM映像の撮影をぼくらはしていたのだ。舗道のあちこちに大きな叢があり、そこからいかにも業界人といういでたちの瘦身の老婦人がよろよろと立ち上がる。二日酔いらしく訳の分からないことをわめいており、通行人の男性にからんでいる。立ち上がると、驚くほど背が高い。よく見ると、全身がマトリョーシカ人形のような木彫りで、その胴体だけが縦に幾層も連なっており、なんだかトーテムポールのようにも見える。

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