6月2日の夢(タイムレコーダー)

 以前に勤務したS社で忙しく働いている。上司のI氏が今日は夜の7時半から打ち合わせだという。7月1日の取材の打ち合わせだそうだ。その日は休日だが、ぼくも休日出勤して地方の学校を取材しようと、やる気満々である。とりあえず今夜は打ち合わせのために帰宅が遅れると妻に電話したい。しかしデスクにあるダイアル式の黒電話は、どの回線ボタンを押しても使われているらしく、同僚たちの会話が流れてくるばかりだ。ふと行き先表示板を見ると、I氏は今夜は外出先から直帰となっている。社内で打ち合わせがあると思ったのはぼくの誤解で、どうやら外部でI氏が誰かと打ち合わせをするらしい。それならぼくはもう帰宅していいわけだ。
 と思っているところにぼくが編集長をしている「Pの本」の文字校正が出てきた。ということはそろそろ次号の打ち合わせをクライアントとするために、特集企画のプランニングをしなくてはいけない。ぼくはそのための参考資料となりそうな書籍を何冊も集め、自分のデスクに山のように積み上げる。何か面白い話題はないかとページをめくるが、何も思いつかない。やっぱり今夜は退社した方がよさそうだ。リュックを取り出し、中にあった不要な荷物を外へ出す。思った以上にリュックが軽くなっていて嬉しい。
 退社のためにタイムレコーダーのカードを押す。いつのまにかレコーダーの位置が変わり、オフィスの端でなく真ん中あたりに置かれているので驚く。しかも先に退社した女性社員が自分のタイムカードを置きっぱなしにしていったためか、ぼく自身のタイムカードがあるべきところにない。さんざん探して、予想もしないところにそれを見つけて、ようやく退社を記録する。そのカードは文具屋でぼく自身が選んできた自分専用の褐色のカードである。紙の色が濃すぎて印字がはっきり見えない。困っていると、総務兼任になったらしい男性社員が「まあ、このあたりのカードまではぎりぎり許容範囲と、オーケーにしました」と、変に恩着せがましいことを言う。

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