7月18日の夢(銀座海岸)

 ハワイからの社員旅行帰りの飛行機で、網棚の上に置いたぼくのスーツケースが、いつのまにかトロピカルフルーツでいっぱいの箱にすり替え得られてしまった。でもぼくはトロピカルフルーツが大好きなので、スーツケースを盗られたのに満更でもない。しかし着陸が近づいて、網棚の上を再び見ると、そのフルーツの箱が見当たらない。今度こそ本当に盗まれたのだ、とパニックになる。
 羽田空港から夜の銀座に戻ると、ぼくの恋人が待っていてくれた。恋人は眼鏡をかけた中年の男性カメラマンだ。自分の恋人が男性だったのにはちょっと驚く。銀座には総ガラス張りの建物があり、中で賑やかなイベントをやっている。それを屋外の三段になった観覧席で見ていると、カメラマンはそれを撮影したいからと言って、ぼくから離れる。
 銀座は遠浅の渚になっていて、茶色の波が打ち寄せており、沖から漁船が戻ってくるのが見える。美しい風景に見とれているうちに、カメラマンのことはすっかり忘れてしまった。
 帰宅しようとして駅の待合室に入ると、そこに恋人のカメラマンがやってきた。再会したカメラマンとデートするのはいいが、その後キスをしなくてはいけないのだろうか。
 家の近くの駅から出ようとすると、歩道橋いっぱいにソファーやベッド、クッション等がぎっしり並べられ、エキストラたちもいて、どこかの家具屋のコマーシャル動画を撮影中だ。ぼくは猛烈に腹が立って、それらの家具を乗り越えて、無理やり階段を下っていく。歩道橋の下にいた監督らしい男がぼくを見とがめ、声をかけてきた。ぼくは逆切れして「警察に行こう!」と大声を張り上げる。男の手下らしい腹にさらしを巻いたヤクザふうの男と共に、ぼくは歩道橋を右に曲がって交番に向かう。しかしぼくはなぜか下着姿である。ぼくが「途中で追いはぎに襲われて、こんな姿になってしまったんだ」と言うと、男はぼくにすっかり同情してくれる。
 歩道橋は女子高生などでごった返しており、なかなか前へ進めない。交番もなかなか見つからない。前方のネオンの向こうに赤く光る灯火を見つけて、男は「あそこの赤いのが交番じゃない?」と、ぼくに品をつくって言う。

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