会社がきれいにリニューアルされた。一階には新装開店したカフェがある。オーナーが「三階からこちらに移ってきて便利になりました。これからもよろしく」とチラシを配ってくれる。
二階のぼくの席はガラス張りの窓に面しており、コーナーにはソファーがある。明るくとても快適そうだ。隣には朴訥な感じの若い男性の同僚がいる。
昼休みになり、ソファーに座ろうとして、はっとする。以前はここにアップライトピアノがあって、自由に練習していたのだった。ソファーの上に指を走らせ、「エリーゼのために」を弾こうとするが、もちろん音は出ない。お金を払ってもいいから、ソファーのかわりに以前のピアノをここに置きたいと思う。
場面が突如変わり、バスの車内になる。ぼくはカラーの美しい風景写真の束を手にして眺めている。このあたりの昔の様子を写したものらしい。運転席にはデザイナーのN氏がいて、忙しそうにパソコンを扱っている。車内には何人もの同僚たちがいて、それぞれに写真を手にしてはしゃいでいる。
再びオフィスに戻っている。カフェから木のプレートに載せた四つのカップが出前で取り寄せられたようだ。二つはホットコーヒーで、二つはアイスコーヒーだ。クリープとミルクの小瓶もある。同僚の男性はすぐにホットコーヒーのカップにミルクを入れる。ぼくもつられてクリープをもう一つのホットコーヒーに入れるが、ミルクではなくクリープを入れたのは間違いだったのではないかと、一瞬不安が過ぎる。プレートはこの後、上司の席に回すらしい。上司の意向を確かめずにアイスを回して失礼ではなかったか、とも不安がかすめる。プレートにはほかにお菓子やお寿司も載っている。それらの半分を取って、早く上司に回そうと焦る。