12月29日の夢(高校教師)

 ぼくは高校教師である。担任するクラスの問題を抱える女生徒に関する分厚い身上書類を持って、帰宅するため駅前までやってきた。そこで急に忘れ物に気づき、重い書類の束を舗道のベンチに置いたまま、学校に戻ろうとする。だが個人情報の書類をそんなところに置き去りにするわけにはいかない。引き返して書類を手に取り、タクシーで再び駅を目指す。駅はすぐそこだと思ったのに、意外に遠いのに驚く。

 しばらく足の遠のいていた実家は立派なマンションである。廊下から実家に入る前にトイレに寄る。トイレは二重の扉になっている。一番目のドアを開けてふと見ると、奥の扉のさらに奥に二人の女性が手をとりあうようにして立っているのが見える。あれはぼくとは直接血縁のない父の娘と、そのまた娘だ。ぼくは硬い声でふたりに「こんにちは」と声をかける。さらに奥には娘の母親(つまり父の配偶者)らしい女がいて、ふたりとは別の自分の娘を世話しているのが見える。とてもこんな実家には足を踏み入れることができない。ぼくはあきらめてマンションの外に出る。

 するとそこには小学校のおさななじみだった服部くんがいて、にこやかにほほえんでいる。ぼくらは「お互いにあの頃はひどい若者だったなあ」「きみなんてヒッピーだったし」と笑い合う。

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