幼稚園で何か問題が起きたらしく、保護者会に行く。出席者の中でぼく一人だけが老人である。受付で書類と共に黒いピストルを一丁ずつ渡される。殺傷能力はないという。
会場の部屋はモダンに改装されており、壁や床をもぞもぞ動物や虫たちが這いまわるマッピング映像が投影されている。子供たちには虫の映像が気持ち悪いのではないかと心配だ。反対側に大きな窓があり、とても美しい風景が見える。だがそれはいきなり消えて、白い壁になる。窓と見えたのもマッピングされた映像だったのだ。こんな高価なシステムがなぜ幼稚園に必要なのか、疑問に思う。既に会議が始まっているが、会場が奇妙な形にねじ曲がっていて、ぼくの席からは司会者のいるステージが見通せない。
いったん外へ出て、別の集会室に移る。奥の一段床のせりあがった席に、一人の荒くれ男といっしょに腰かける。そういえばピストルをどこかへ忘れてきた。そのピストルを誰かが使って殺傷事件を起こし、ぼくが忘れたせいだと罪を追及される記事が、ぼくの顔写真と共に夕刊に載るのを想像して、不安になる。探し回ってふと気がつくと、ぼくの持っていたナイロン袋の中にちゃんとピストルは入っていた。ほっとして集会室へ戻る。