ぼくは父から独立するため、実家の近くにアパートを借りている。その自室に帰ろうとすると、ドアの前に以前部下だった男性社員からお礼の手紙と品物が置かれているのに気づく。ぼくは部下から慕われる上司だったのだなと思う。
会社に行こうと山道を登る。道路の左手にたくさんの塔のような岩が地面から突き出ている。そのてっぺんに杖を突きさすと、どれもが十字の形に割れる。
書店に立ち寄る。12時にランチにしたいので、それまで本をあさる。そこは岩波書店が自社本を売るための専門店だ。ふと抜き出した本の表紙の上半分が欠けている。女性の書店員に指摘すると、最初からそういうデザインなのだという。なるほどその下に平積みされた本はすべて表紙の上半分が破れたように欠けている。