イベントに妻と出かけ、入場を待つ行列に並ぶ。いったん列を一人で外れ、戻ってくると今度は妻が列を外す。なかなか帰らない妻を待っていると、新しくやってきた客が「並んでいますか」と尋ねる。ぼくは「いえ、人を待っているだけです」と答えて、場所を譲る。
戻ってきた妻が「荷物を持っていてあげるね」と言うので、背中のリュックを彼女に預ける。だが妻はそのまま帰宅してしまったようだ。ぼくも黒い手提げのバッグを持っているものの、それはとても軽い。妻はあんなに重いリュックを自分の分と合わせて二つも持って帰って大丈夫だろうか。妻のことを心配しながら帰途につくと、ビルの屋上で男が一人遠くにある何かを見ている。何を見ているのだろう? 気になって彼のそばに座る席を見つけようとするが、最前列は席をとった人たちの荷物で既にいっぱいである。しかたなくぼくは二列目の席に座る。