3月20日の夢(黒い扉)

 植込みの緑が豊かな公園の一番奥に、古い公民館のような建物がある。妻と二人、そこに入ろうとするが黒い鉄の両開きの扉が閉ざされている。引き開けるとロビーの左手に掲示板があり、来週開催されるらしい短歌か何かの研究会の手書きポスターが貼られているのが見える。だが扉から手を離すと、それは自動的に閉まってガチャーンと大きな音を立てる。何度か扉を開けたり閉めたりしていると、公園の方から近づいてきた女性が「来週ですよ」と声をかけてくる。ぼくたちは建物に入ろうとしただけで、研究会に関心はなかったが、女性はそれに参加したいのだとぼくらを見なした様子だ。「でもその会で合評しようとした作品の作者が、自分だけでなくグループ全員を合評してくれと聞かないんです」と女性が妻に説明している間に、別の男がぼくに近寄ってきて、手に持ったゴムひものようなものでネズミの形を作ってみせる。ぼくは驚いて「うわあ、お上手ですね。まるで〇〇みたいだ」と言おうとするが、〇〇に当たる比喩を思いつけず、迷っているうちに目が覚めた。

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