5月9日の夢(転地療養)

 田舎で療養生活をしている。布団の中から見る窓の外は山が雨に煙っている。食欲がなく、今夜は食事抜きにしよう。皆はぼくの病気はよくなると言うけれど、それは嘘で、ぼくには死期が迫っているのかもしれない。
 そんなぼくなのに、まだ会社に勤めている。皆は残業しているが、ぼくはもう退社しようと思う。喉が渇いたので、台所へ行く。そこには見知らぬおばさんが働いているが、彼女の助けを借りようとはせず、自分でお湯を沸かす。なぜかそのお湯を薬缶から、流し台にある誰かの食べ残しの食器に注ぐ。食器は白く濁る。それを見て、初めてぼくはなぜこんなことをしているのだろうと思う。ここにはお茶っ葉もないし、自分の湯飲みもないのだ。相変わらずおばさんが立ち働いているが、2人とも互いに無視したまま、ぼくは台所から出ていく。

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