6月22日の夢(怪しいお屋敷)

 大きなお屋敷に逗留している。何気なく浴室の前の廊下に出ると、浴室のドアの前の床にある小さな上げ戸が開き、女の片手の手のひらだけが突き出される。てのひらには真っ赤な血のりがついている。切り傷を負ったのだろうか。まさぐるように手のひらは動きながら、少しずつ腕の部分まで突き出てくる。ぼくはいけないものを見てしまった気がして、それを見ずにすむよう、廊下に寝転ぶ。ふと気づくと、周りには頭を丸めた尼のような老女たちが和服を着て、数人集まっている。そして知人のピアニストSに「あなたにこの場は任せるわ」と言っている。ぼくは明らかに、いてはいけない場所にいるらしい。
 逃げるように玄関に出て、靴箱から自分の靴を取り出し、外に出る。青空の下に緑の大草原がどこまでも続き、少年たちが声を上げて遊んでいる。遠く、1人の少年が空中ででんぐり返しをして、頭から地面に落ちるのが見える。はっとするが、子供たちの笑い声が続いているところを見ると、何でもなかったのだろう。ぼくの右手の方は草原がそのまま垂直に近い崖へと落ち込んでいる。ここから落ちたらいのちはないだろうな、と思う。

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