8月14日の夢(父の代理)

 男性詩人のМと二人で取材に出かける。その取材先に行くには新宿で電車を降りるべきだと思うのだが、Мは東中野で降りればいいと言うので、逆らわないことにする。Мはちょっと頭がおかしいらしく、取材だというのに野戦服を着てヘルメットをかぶり、銃を手にしている。完全武装スタイルだ。
 東中野の駅で降りる。そこは高速道路で、下の街路までは急角度の石垣になっている。Мは片手で銃を構えたまま、急な崖を巧みに下降して行く。そのあたりはさすかだと思うが、ぼくはさっさと別の降り口へ回る。そこはゆるやかな坂で、なんの苦もなく歩いて降りられるのだ。
 ぼくたちはまずぼくの自宅に立ち寄ることにする。この時間はぼくの自宅には誰もいないはずだ。ぼくらは二人で新聞を1枚ずつ読んで床に置く。全部読み終わったところで、ぼくはМに「いいか?」と尋ね、立ち上がる。外へ出ようとして、誰もいないはずのリビングで後ろから声をかけられ、ぎょっとして振り返る。
 円卓の周りに椅子がいくつも並べられ、会議室のようになっている。一番奥の上席がぼくの父親の席だ。父は今日は不在だが、その席に浅黒い肌の男が座っている。ラテン系ともハワイ系ともとれる男で、日本人ではない。彼はぼくの父親の代理人をしている男だ。前にも一度会ったことがあるので、ぼくは挨拶をする。銃を構えたままのМも平静に挨拶をする。銃を向けられて男もよく平静でいられるものだと感心する。
 これからぼくらは友人の精神科医Sドクターのところへ取材に行くので、代理の男から彼についていろいろ教えてもらう。

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