8月16日の夢(朗読会)

 東北の街で地元の詩の団体と共催で詩の朗読会を開いている。ぼくは東京から来た詩人だからと司会役を仰せつかっている。今日が2日目だというのだが、実は昨日の1日目の記憶が全くない。しかも、プログラムをなくしてしまった。はっと気づくと、会場がしーんとしている。出演者がもう朗読を終えたのだ。ぼくはあわててマイクを握り、随分間の抜けた沈黙の後で「失礼いたしました」と言う。それから会場の熟年男性に「ちょっと貸してください」と言って、プログラムを無理やり見せてもらい、「では次の朗読は誰々さんです」と紹介する。だが、またはっと気づくと朗読は終わっていて、会場を白けた沈黙がおおっている。しかも、ぼくはいつの間にか上着を脱いでいて、アンダーシャツを1枚着ているだけだ。手元にやはりプログラムがないので、ステージに立った女性に名前を聞き、「では、今度は女性詩人の何々さんです」と言うが、どうやら名前を聞き間違えたらしく、女性詩人から訂正されてしまう。その間もぼくは上着を探す。しかし、見つかる服は背中が破れていたり、肩のあたりがぼろぼろだったり、まともなものは一つもない。早くこんな朗読会終わってくれないかな、と思っていると、地元の詩人団体の事務局長みたいなおじさんが「悪いですが、私は早く帰らなければならないので、これで・・・」と席を立とうとする。それなら、これでもうプログラムを終わりにしてもいいだろう。念のために「飛び入り朗読の時間を設けてもいいですか」とおじさんに聞くが、「要らない」と言う。ぼくは「大変有意義な会となり、本当に有り難うございました」と終わりの挨拶をして、さっさと朗読会の幕を下ろす。

カテゴリー: パーマリンク