11月21日の夢(水鉄砲の男)

 オフィスを退社しようとして、荷物をまとめている。デスクのかわりに置かれたベッドの下に、汗で汚れた自分の服が沢山ある。それを取り出して、大きなカバンにぎゅうぎゅう押し込んでいると、Kくんが「一色さんの服は体にぴったりしていて、かっこいいですね」とお世辞を言う。
 同僚の一人が「変だな。こんなところが濡れている」と声を出す。オフィスの中央に敷かれた布団の上に水滴がついている。なんだか線になってついているようだ。それをたどって目を上げると、窓から小銃を構えた若い男が無言で入ってくる。どうやら小銃型の水鉄砲を撃ったのだろう。銃はぴたりとぼくに狙いをつけられているが、水鉄砲なら怖くはない。
 電話が鳴っている。男に気をとられていたので、気づかなかったが、皆がぼくに「電話だ」と叫んでいる。気がついたときにはもう誰か別の部屋の人が間違ってその電話に出てしまったらしい。内線で改めてぼくの電話を確認し、それに出る。暗い聞き取りにくい男の声で「こないだ返してもらった車は間違っていた」と言う。寝耳に水なので「もしもし。そちらの電話番号を教えて」と言うが、もう切れてしまっている。部屋の中のすべての人がぼくを無言のまま見つめており、銃を持った若い男は消えている。

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