7月9日の夢(湖畔の本屋)

 湖のほとりに本屋がある。そこではショッピングカートのかわりに、三段になった書棚のような、白くて大きな透明ケースを渡される。このケースの中に好きな本を詰め込んで、買うことができるのだ。だが、本屋の中をいくら探しても、ぼくには買いたい本がない。このケースをどこへ返したらいいのかも分からない。
 本屋の中に、今まで気づかなかった部屋がある。壁の書棚にはぼくの好きな古い泰西古典のような書物がぎっしり詰まっている。ぼくより先に少女が一人、テーブルに座って、静かに読書をしている。
 ぼくは食事を作ろうと、隣の台所へ行く。だが、調理器具は殆ど取り外されている。ぼく自身も設備の一部を取り外す。取り外した器具をみんな洗って組み立て直すとしても、とても料理は作れそうにない。

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