11月14日の夢(巨大エレベーター)

 編集委員の人たちとその一人の家に遊びに行くことになる。マンションに着き、エレベーターに乗り込む。エレベーターの中はとても広い。床はぴかぴかに磨かれ、ホテルのロビーのよう。奥に外国製の自動演奏グランドピアノが置かれており、制服を着たスタッフたちが演奏前の準備をしている。しかし、ピアノの周りは透明な仕切りで隔てられていて、楽器そのものに触ることはできない。
 ピアノに見とれているうちに、降りる階に着いた。慌ててドアにダッシュするが、随分遠い。ドアは二重、三重になっていて、「ドアが閉まります」というアナウンスに急き立てられ、「すみません。降ります」と叫びながらようやくドアから外に出る。
 降りたフロアにはもう編集委員たちの姿はない。左右に出口があるが、どちらへ彼らが行ったのか分からない。とりあえず左の出口から出ると、昼間に都会のマンションに入ったはずなのに、外は既に夜のとばりが降りている。そして、そこはうらさびしい山村だった。森閑として、人通りも僅かだ。しばらく歩いてみるが、こちらではないと判断し、右の出口に向かう。右の出口から出ると、そちらは昼間で雨が降っている。京都あたりの賑やかな下町である。しかし、やはり編集委員たちの姿はない。
 新幹線に乗って、横浜から東京へ帰ることにする。車両の入り口のドアから、ぼくはメガネをかけた男性と若いロシア人らしい女性と共に乗り込む。ぼくは一番手前の二人掛けの席の通路寄りに座る。窓側には眼鏡の男。ロシア女性はもう少し中の席に座った。ぼくは膝に置いたハードカバーの本を読み始める。中にぼくの描いたらしい裸女のスケッチがいくつかはさまっていて恥ずかしい。慌ててページをめくる。と、隣の男性が「おおーっ!」と声を上げる。ぼくは自分の恥ずかしい絵を見られたのかと一瞬ひるむが、そうではなかった。さっきのロシア女性が何のつもりが上半身をむきだしにしているのだ。ぼくも乗客たちもその美しさに見とれる。目覚まし時計が鳴り出し、ぼくはもっと見ていたいのに残念だと思う。

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