12月7日の夢(南アフリカ)

 会社が南アフリカに引っ越すことになった。深夜にぼくらは原宿駅を出発する。そして氷原を疾走する。一番足の遅いぼくは、皆に遅れないよう懸命に走って、船着き場に着く。海面には氷塊がぷかぷか浮いている。ぼくはその一つに片足を乗せ、船頭さんにつかまって、やっと船に乗り込む。乗っているのはU社長はじめ五人だ。やがて船は電車に変わった。空にはUFOか月かと思うほど、大きな星が出ている。ぼくらが疾走しているのはもう南アフリカの市街地だ。それが一面の雪原に変わったところで、ぼくらは乗り物を降りる。人っ子一人いない。暮らしにくい季節には強制的に他の地域に全員で旅に出る規則なのだという。黒人の船頭の男はぼくらに「さあ、これからは私がきみたちの母や愛人のように、きみたちの管理人になるからね」と言う。

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