10月6日の夢(倉庫になったエレベーター)

 女友達がコンクール方式の美術展に出品するため、高知に出かけたので、ぼくも別行動で高地に向かった。そういうぼくらの後になり先になりして、眼鏡をかけた若い男が同行している。女友達のファンなのだろうか。
 高知で女友達は厳しい顔つきでせっせと作品を制作する。彼女の昔の友人たちも駆けつけ、皆で彼女を応援している。幸い、作品は高い評価を得たようだ。それは長方形の粘土板のような色と形をしている。
 コンクールが終わり、ぼくたちはまた後になり先になりして東京に戻る。東京の古い工場のような広い建物がぼくらの拠点となっているのだ。ぼくの方が先に出発したものの、バスだから遅くなると思ったのに、意外に早く夕刻には戻ることができた。途中、水深の浅い小川をぼくは渡ろうとして、水面下の三つの石を踏み石にしようとする。その真ん中の石に物差しのような形をしたものがあり、手にとると見るまにそれは一匹の猫に変わり、ぼくを先導してくれたからだ。
 その工場のような建物でも、皆が女友達を熱狂的に応援している。すぐに女友達自身も帰り着いた。木造やレンガ壁の目立つ建物の三階にぼくはエレベーターで昇ろうとするが、エレベーターの中には若い男が仕事をしている。どうやらエレベーターは倉庫代わりに使われていて、エレベーターの役割を果たしていないらしい。今夜はここで女友達のコンクールでの成功を祝うパーティーが開かれる。

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