11月30日の夢(墓の中のタクシー)

 小高い丘の頂上が四角く石の壁で区切られている中に、動けなくなった車が一台。どうやらここは沖縄のお墓らしい。車に乗っているのはぼくと妻。
 ぼくは助けを求めるために車外に出る。タクシーと石壁の間はとても狭い。車を回り込んで壁の隙間から外へ出るつもりだったが、なぜか壁の中を一周してしまう。そこへタクシーの運転手が戻ってきて、運転席に座った。ぼくはようやく壁の隙間から外に出る。
 そこは建物の中なのだが、通路の両側にぎっしりと商店や事務所が並んでいる。ぼくは途中でトイレに入って大便をしていたようなのだが、なぜかズボンを下ろし、お尻をトイレットペーパーで隠した状態で、通路に出てきてしまった。賑やかな商店街では女性の売り子たちがお客を呼び込んでいる。ぼくは彼らに見つからないよう、こそこそと通路を進み、留守であるらしい部屋に勝手に入り込む。人のいないのを幸い、そこで用を足すのを再開しようとしたところへ、ちょうど部屋の主の中年男性が帰ってきた。窓からぼくを見つけた男性は、窓ガラスを一枚外して、そこに頭を突っ込んで中に入ろうとする。ぼくは床に這いつくばり、男性は上から体を押し込もうとしつつ、二人はにらみ合う。男性に殴られるかなと思った瞬間、ぼくは再びタクシーの座席にいた。どうやらぼくのパンチが先に男性に当たり、ノックアウトしたらしい。ぼくはタクシーの隣座席にいるその男性にできたばかりの詩集を渡し、「おかげでこの本が出来上がりました」と礼を言う。男性は「まあ、これでよかったのかな」と苦笑いして詩集を受け取る。

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