3月26日の夢(詩祭危機一髪)

 しばらくアメリカに滞在していたため、ひさしぶりに日本に戻ると、すっかり浦島太郎状態である。今日、大規模な詩祭に出演しなければならないことも忘れていた。
 慌てて東京の会場に行くと、まだ開幕時間前である。参加する同僚たちと舞台裏で雑談する。楽屋の並ぶ廊下で焚火がされており、ぼくは歩きながらなにげなく鞄から銀色のファイルを取り出して、その火の中に投げ込んでしまう。ファイルが燃え上がってから気が付いた。なんてことだ。ファイルの中には今日朗読するはずの「相撲」をテーマとする詩の原稿が入っていたのだ。まずい。その原稿のコピーを取っていなかった。
 いや、一つだけコピーがある。でも、それは北海道にある別宅のパソコンの中にあるのだ。ぼくは躊躇なく羽田から飛行機に飛び乗る。そして別宅に着くや、パソコンを立ち上げて、詩のコピーをプリントアウトする。再び飛行機で東京にとんぼ返りすると、なんとか出演前に会場に戻ることができた。

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