4月22日の夢(全社で貫徹する日)

 今日は年に一度の恒例行事、社員すべてが完全徹夜をする日だ。社長のМがぼくに「今病院に行ってる?」と尋ねる。「行ってますけど、成城の病院ですよ」。「それってT病院?」 言い当てられて(現実にはそんな名前の病院に行ったことはない)、ぼくは「どうして分かるんですか」とびっくりする。「ぼくも行ってるからさ」と、Мは平然と答える。
 そしてぼくにクラシックで重たいカメラを手渡し、今夜の完徹デーの記録を撮るように言い渡す。妙に横長の長方形の視野のカメラだ。ぼくはそのカメラを持って社内の各部屋を回り、社員たちの姿を次々と写真に収めていく。不思議なことにほぼ全員がぼくの知らない人ばかりで、特に北半球のさまざまな民族のさまざまな年齢の男女が嬉々として、完徹デーを楽しんでいる。圧倒的なヴァーチャルリアリティで部屋半分が異界になっている部屋、ネイティブの人々が大自然の中で生き生きと暮らしている部屋もある。しかし、社長から預かっているカメラは使い慣れず、シャッターを深く押し切れないので、ちゃんと撮れているかどうか自信がない。
 ついに夜明けの時間が来て、水平線から美しい太陽が昇ってきた。窓から社員たちがそれをカメラに収めている。ぼくも撮ろうとするのだが、画面に社員たちの頭が大きく映り込んでしまい、ついに撮ることができない。
 社外に出ると、地面の上には毒蛇や毒虫がうじゃうじゃと蠢いている。ここは大丈夫と思って足を下ろすのだが、そこにも何物かがいる。ぼくは恐怖にかられながら、毒蛇と毒虫の平原を走り抜けていく。

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