セルフサービスのコーヒーショップへ入る。ゆったりと広い店内には白くて楕円形のテーブルがいくつも並べられ、周囲に椅子が置かれている。ぼくはその一つにバッグを置いて席を取り、店内をうろうろ歩いてコーヒーサーバーを探すが、どこを見回しても一つも見当たらない。ウェイトレスが現れたのでてっきり新しいサーバーを用意してくれたのだと思って近づくが、やはりサーバーはない。そして彼女もフロアから姿を消してしまう。
またもやぐるぐると店内を歩き回るうちに、ようやく新しいサーバーが置かれたので、喜んで縦長のカップにコーヒーを注ぐ。だが慌てていたので、大型の金属製の盃のようなものに注いでしまった。恥ずかしいので、隅のテーブルに行って、カップに注ぎ直そうとするが、盃は熱で変形したのか、花がしおれるようにくったりと歪んでしまい、びっくりする。ともかくようやくコーヒーを手に入れたので、入り口近くの自分の席に戻ろうとするが、自分がどこにバッグを置いたのか、全く見つからなくて途方に暮れる。