8月17日の夢(素朴な売り子)

 会社のデスクが学校の机のような木製のものにかわっている。その引き出しはもちろん、周囲が寄贈された詩集や詩の雑誌でいっぱいになって、あふれんばかりだ。何冊かを捨てなければとてももたないと思う。
 有名作家の代表作をリストにして、社長のところに持っていく。すると、社長はそれらの作家の名前を一瞥して、「みんな慶応出ばかりだな」と言う。そういえば社長も慶応出身なのだ。そして、それらの小説の原稿枚数と、作家の出身大学(ということは慶応以外の出身の作家もリストに入っているらしい)をペンで書き込んでいく。社長は有名な文学作品はみんな読破しているのだなと驚く。
 会社に赤いTシャツを着た素朴な女性がセールスにやってきた。首から駅弁の売り子のようなお盆を吊り下げ、お盆の胸当ての部分には三面鏡のような形の透明プラスティックの板がついている。彼女は訥々とした口振りでお盆に載せた商品のセールスをし始める。すると、社内にいた女性社員たちは一斉に彼女に、その三面鏡のような透明プラスティックの左側の部分に「フケがついているわよ」と、指さして非難する。言われた女性は一瞬驚いて、無言のままその「フケ」といわれた汚れを拭き取り、また何事もなかったかのように、訥々とセールスの言葉を語り始める。すると、彼女の吊り下げている胸のお盆が急に立派になったように見える。

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