7月10日の夢(仲間外れのエレベーター)

 都心の道をN氏と歩いている。この裏道にN氏の紹介してくれたアパートがあり、そこに上京する知人の家族を住まわせることになったので、アパートの下見をするのだ。部屋に入ってみると、畳が波打ち、隙間から床下が見えたりしているものの、やや手狭とはいえ、まあまあの物件である。大家に挨拶をしてから外に出る。

 外は冷たい雨が降っている。傘を差して歩きながら、ぼくはN氏に「この立地でこの値段ならいいね」と話しかける。N氏は小走りに街路の反対側に行ってしまうので、ぼくも遅れないよう殆ど全力疾走で彼に追いつく。そこにN氏の妹二人が待っている。まだ小学生でブラジル人だ。薄着で、日本語はあまり話せない様子だ。そうか、N氏がエキゾチックな顔立ちをしているのは、ブラジルにルーツがあったからだと思う。二人に近づこうとすると、両手を交差させて「来るな」という合図をするので、ぼくは立ち止まる。

 かたわらの建物に入り、N氏とエレベーターに乗る。あとから眼鏡をかけたいかにも日本人の典型的なエリートといったタイプの若者たちが何人かやってくるが、みんなエレベーターの中のぼくらを見て乗ろうとしない。N氏は「ちっ。そういうことか!」と吐き捨てるように言い、「閉」のボタンを押そうとする。さらに後からやってくる若者たちを見て、ぼくは「待って! ほかにも来る人がいるよ」と言うが、彼らもエレベーターに乗ろうとはしない。

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