11月3日の夢(麻薬捜査)

 名古屋の実家には広い裏庭がある。母屋につながる藤棚の先の地面を、母や祖母、何人もの子供たち総出で掘り返した。多分、種か球根を植えたのだろう。居間でみんなが寛いでいると、せっかく作業を終えたその場所を誰かがスコップで掘り返している。出ていくと、彼らは警察官だった。「ここに麻薬を埋めたのではないか」と彼らは言い、土のサンプルを採集している。「ところで最近、この庭にやってきて、よくベンチに腰かけている女性は誰ですか」と、ぼくに質問してきた。「ああ、あれはWという女性詩人です。何のためにやってくるのかは私たちもわかりませんが、有名な詩人ですから、ネットで調べるか、詩集を買ったらわかりますよ」と答えると、目を白黒させて黙ってしまった。

 警察官たちが立ち去った後、家の中にいた祖母や子供たちを呼ぶ。親戚たちもやってくる。母が「埋めておいたボウルが二つなくなっている」と言う。「きっとサンプルの土を入れて持って行ったんでしょう。土壌から麻薬反応が出るか調べるみたいです」。そこへ見知らぬ若い男が走り込んできて「私のせいでご迷惑をかけて申し訳ありません」と頭を下げる。どうやら今度の麻薬騒ぎの発端となった男らしい。そういえば以前、裏の家との境の塀際に本物の麻薬を埋めて隠したことがあった。「この辺で土から麻薬反応の出ない場所なんてないですよ」と皆で笑い合う。

 家の表には川が流れていて、その手前の道路に叔父が白い車を停めている。叔父は運転が下手で、前にも人を巻き込みそうになったことがある。それを知っていたにもかかわらず、ぼくは叔父の乗った車の前に回ってしまう。ゆっくりと車が前進してぼくに迫ってくる。隣のコンクリート塀との間にぼくははさまり、抜け出せない。これでは押しつぶされる。「おいおい」と言いながら白い車体をノックして、叔父に知らせようとする。

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