★たまたまエイプリルフールに見た夢ですが、いつも通り全編夢見たままに記述しています。
ふと気の向くままに、夜の街に散歩に出る。いつものバス停に来た。並木の美しい舗道に光り輝くバス停のサインポールが立っている。片側の青く輝く面はタッチパネルで、そこに書かれたいくつかの文字に指でタッチすると、自分の行く先などに自由に変換できるはずだが、今夜に限ってうまくいかない。戸惑っていると、背の高い別の男性がやってきて、「ねえ、おかしいですよね」と声をかけてくる。
バスに乗って、郊外まで行き、また元のバス停に戻ろうとする。だが、バスに乗って気づいた。まだ引っ越したばかりで、あのバス停はなんという名前だったろう? リアウィンドウごしに夜空にそびえる富士山が見える。富士のいただきから竜巻の形の雲が渦巻き出ていて、なにか不穏な様子だ。夜空は白い巻雲で泡立つようで、上空には小さな月が一面に出ている。その沢山の月が風にあおられてくるくると群舞しており、なかなかに美しい情景だ。
はっと気づくと、ぼくは座席で猫のように丸まって眠りこけていた。一つの座席にぼくを含めて三人の乗客が座っている。よくそんな眠り方ができたものだ。「次は九段下」というアナウンスが流れる。そうだ。ぼくの降りるのはここだった、と思う。急いで前部の運転席に行くが、そこには計器が並んでいるだけで、運転手がいない。慌てて後部へ行くと、そこにはスキャナーを設置して警官が待機している。交通系ICカードをスキャナーにかけると「こぶくろのK」という持ち主の名前が画面に浮かび上がる。しまった。これは昔、公園に落ちていたのを拾ったものだった。眼鏡をかけた若い警官が「あなたはこの人じゃないですよね」と勝ち誇った笑みで言う。「こんな軽微な罪でなく、巨悪を摘発するのが警察の役目でしょう」と言ってみるが、警官はせせら笑うだけだ。家で待つ妻にせめて携帯で連絡しようとするが、電話もかけられないよう圏外表示になってしまった。