10月6日の夢(左のドア)

 渡してあった原稿を急に変更しなくてはならなくなり、ぼくはどこかの町へ、その変更した原稿を届けに出かける。町の入り口には左右両側に二つのドアがあり、いつもは開かれているのに、今日は左のドアは閉ざされている。そして、右のドアからはぼくの詩集「純粋病」を作ってくれた編集者のO氏が顔を覗かせている。だが、O氏はそのまま引っ込んでドアを閉ざしてしまった。どちらにせよ、ぼくが向かうのは左のドアの方だ。
 閉ざされた左のドアを開けると、中は細い廊下で、何かお祝い事があるのか、老若男女がぎっしりとお出かけ用の服に着飾って、忙しそうに各部屋を出たり入ったりしている。住人たちは全員外国人だ。というより、ここはきっと外国で、ぼくの方が異国から来たよそ者なのだろう。町の住人たちにとって特別な日らしいこんな日に、よそ者のぼくがのこのこ入っていくのは気がひけるが、構わず前進していく。一番奥にあるお店にぼくは原稿を届けに入るが、てっきりいるものと思っていた女主人は不在で、留守番の別の女性にぼくはそれを預ける。

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