横浜の南の方の海を埋め立てて、新開地を作る工事をしている。工事現場には左ウィングと右ウィングの二つのエリアがあり、左ウィング担当の人は左に開くドア、右ウィングの人は右に開くドアの部屋に暮らしている。ぼくはそのどちらでもない宣伝担当のオフィスにいる。
左ウィングが先に完成したらしく、左ウィングのスタッフだけが招集がかかった。ぼくたち宣伝スタッフは集合しなくてもいいので、部屋でぶらぶらしている。しかし、デスクに座ってみて、何か変だと気づく。ぼくのデスクだけが幅が狭くなっている。おまけに、その上に載っていたはずのパソコンがない。両隣には見たことのない知らない女性スタッフが座っている。左の席の女性にそのことを言うが、彼女は「あらそう」とそっけない返事をかえす。どうやら、ぼくの知っているスタッフたちは隣の部屋で会議を開いているらしい様子が、開いているドアの向こうの気配で感じられるが、ぼくにはお呼びがかからない。
防波堤で囲まれた海岸へ行く。一人の男が釣り竿の先の糸に、魚の切り身をつけて遠くへ投げる。魚の切り身は、石で水切りをするように水面をすべる。よく見ると、かたわらにクジラのように巨大な魚の上半身だけが垂直に立っている。どうやら下半身は切り刻まれて、男の釣り糸の先に付けられては、海に投げ飛ばされているようだ。それを堤防の上で見物していた何人かの女性が、男によって魚のかわりに海の中に投げ飛ばされる。そばにいた女性たちが、恐れをなして逃げようとすると、男は彼女たちに「なぜ逃げるのだ? 海に投げ飛ばされるのは、もしかしたら気持ちいいことかもしれないよ」と言う。ぼくも投げ飛ばされては大変なので、そそくさとそこから逃げ去る。だが、走っているうちに駅を通り過ぎてしまったらしく、いつのまにか東京の近くまで来てしまった。慌ててUターンする。
蒲団に寝ていると、窓の向こうに雌ライオンがいる。ライオンは窓に向かって飛びかかるが、ガラスに跳ね返される。ガラスにはピンクの血しぶきがいっぱいに付く。見ると、ライオンは頭のあたりから大量に出血している。
そのライオンがいつのまにか窓を破って、ぼくの寝ている部屋に入ってきたらしい。蒲団に邪魔されて、ライオンの動きは見えないが、気配だけが感じられる。逃げるわけにもいかない。もうぼくは十分に生きたから、このままガブリとやられて死んでしまってもいいかなと思う。蒲団の中に潜り込んで、隠れた方が安全かもしれないが、身動きする方が危険かもしれないな。
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