村上春樹の新作が発表され、すぐに映画化されたのを、映画館に見に行く。農夫の胸に横長の長方形の窓がつき、体の中を覗ける。いつのまにか、ぼくはその映画の中に入り込み、農夫のお腹を覗きこんでいるうち、さらにお腹の中の世界にも入り込んでしまった。
そこは疾走する電車の中で、ぼくはコピーされた何枚かの紙を貰う。読んでみると、それは欧米の作家の書いた小説のコピーだった。電車に別の男が乗り込んで来た。それはさっき別れたはずの男だ。ぼくは彼にそのコピーを渡す。
ぼくは罪を犯したらしく、裁判にかけられることになる。法廷となる場所がそのままぼくの住む場所になる。壁には久石譲の描いた大きな絵がかけられている。左から右へ目を動かすと、絵はアニメのように動く。しかも、近景は早く、遠景はゆっくり動く。おまけに次々とページがめくれるように絵が変わる。不思議に思って近づくと、絵には二枚のカンバスが張られて、二重になっているのだった。
裁判が始まることになり、法廷がセットされる。裁判長席をどちら側に置けばよいのかわからず、掃除のおばさんに尋ねると、「裁判長はステーキで裁判をやるから、こっちの方だよ」と教えてくれた。
見回すと、確かにそこはステーキハウスのようだ。妻がぼくのための証人として、犬を連れて来てくれる。犬は既に2人座っているソファーの真中に寝そべる。犬はぼくのために証言してくれるが、実は妻が腹話術を使っているのだ。ぼくは犬を法廷の最前列に座らせたいが、さて一体どこがそうなのだろう?
この頃にはぼくはもう被告ではなくなっているようだ。
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