10月27日の夢(人肉食)

 家に食べるものがなくなった。妻が「人の肉はいく日位で腐るものでしょうか」と言う。ぼくははっとして、「馬鹿なことを言うものではない」と答える。だが食事の時間になると,母だろうか、父だろうか、「誰か肉を取ってこい」と言う。誰も取りに行かない。けれど、母が取ってきたのだろうか。いつのまにか食事が用意されている。
 今、我が家は改築中で、大工さんたちが何人か家の前の空き地でお昼休みをとっている。彼らにも食事を出さなければならない。ぼくはお椀に入った饂飩のようなものを一つ手にして、その内の一人に手渡す。一つずつ運んでいたのでは間に合わない。ぼくはお盆を探し、その上に人数分載せて、運ぼうとするが、つまずいて一個を落としてしまう。だが、これは饂飩のように見えても人肉なのだ。どうせ不浄のものだから、いいのだ。ぼくは床に落ちた饂飩を拾って、お椀に入れ、大工たちに手渡す。
 みんなで食事を始めようとした瞬間、あたりは真っ暗になった。ごうごうと風が吹きわたる音がして、家の壁に火がついた。ぼくの服にも火がうつった。急いでもみ消す。機関銃の音が響き渡る。棒立ちしていたぼくは、気がついて、慌てて床に伏せる。ドアを蹴破って、銃を構えた人々がなだれ込んでくる。ぼくらが殺して食べていた被支配民族の人たちが蜂起したのだ。「生き残りを探せ」と男が言う。武装した人々は一斉に、死んだふりをしていたぼくをくすぐり始める。ぼくはこらえきれず、「やめてくれ。早く殺してくれ」と叫んで立ち上がる。人々の銃口が今まさに火を噴こうとしている。

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