7月3日の夢(飾り付け)

 「庭で飾り付けをします」という声がして、みんな一斉に走り出した。ぼくも先頭をきって走る。ビール坂の下に、その庭が見える。大きなグラウンドで黒い土が雨に濡れている。しまった。靴を忘れた。ぼくは取りに戻ろうと、みんなに逆行して走り出す。その間に妻をはじめ、みんなはどっと先へ行ってしまう。おまけに部屋の鍵を忘れて、入れない。右隣の家の奥さんが見ているのに、ぼくは左隣の家のドアからはみだしているレースのカーテンを破り取って、走り去る。これで飾り付けをするのだ。
 ぼくが疾走する廊下は豪華な飾り付けでいっぱいだ。その間を縫って走る。まるで映画の一場面のようだ。
 遠くの国から馬車に乗って、男の子と小さな妹が到着した。お屋敷のお姫様たちは彼らを受け入れるか、それとも殺すかで議論をする。結局、妹の方をこちらの王子のお妃にすることを条件に、彼らを受け入れることにする。「でも」とお姫様は言う。「あなたたちの国のレベルとこっちの国とはレベルが違うの。あなたたちの基準で、自分たちをリッチと言わないこと」と二人に命令する。
 さあ。飾り付けだ。大広間の片側の大きな壁一面に伸縮する縄梯子がいくつもかかっている。みんな、これを使って、猿のように壁を滑り登り、滑り降りして飾り付けをしていく。詩人のTくんもすぐに上手にできるようになった。うっかり手が離れて落下しそうになるが、飾り付けの一つに手をかけて、ちゃんと体を支える。これは絶対安全なやりかたなのだ。

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