10月3日の夢(音楽列車)

 我が家は駅のホームに直結している。今日は列車の車両に自動ピアノを乗せて、車輪の回転とともに音楽を奏でながら旅をする音楽列車を、我が家から仕立てることになっている。
 定時にホームに何両編成かの列車が蒸気機関車に引かれて滑り込んできた。父(実際は25年前に死んでいる)の指揮のもと、みんな「それっ」とばかりに一斉にホームに飛び出し、車輪にコードを手際よく配線して、ピアノに接続する作業をする。無事、停車時間中に作業が終わり、列車は音楽を響かせて出発していく。
 だが、専門知識を持っている父は早々と帰ってしまい、後に残ったのは配線などがよく分からないぼくや女の子たちだけ。不安に思っているところに、さっきとは逆方向から列車が着いた。なぜか今度は機関車がなく、車両の数も少ない。また、「それっ」と飛び出して作業をするが、なかなかスムーズに仕事が進まず、時間もかかる。ぼくは女の子たちに「配線は大丈夫か」と声をかけて回る。でも、なんとか作業が終わり、列車は出発した。ぼくはそれを、ほっとして見送りながら、「あれっ、帰りの列車なのだから、今度は装置を付けるのでなく、取り外すのじゃなかったっけ」と思う。
 ふと、駅の上の空を見ると、そこにどこかの山の斜面が大写しに拡大されている。街並みが見え、坂道を登っていく車や人々の姿が見える。
 
 部屋に戻り、窓から見ていると、ちょっと暗めの顔をした女の子が廊下をやってきて、我が家の玄関のチャイムを鳴らした。父のピアノの生徒だ。「さあ、どうぞ」と言って、ドアを開け、ピアノのある部屋へ通す。父が彼女をピアノレッスンしている間、ぼくは隣の部屋で待っている。

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