世界詩人会議がまた日本で開催された。前回の主催者だった詩人のA氏(故人)も元気な姿を見せている。しかしぼくは会議には参加せず、会場には行ったもののそのまま電車で戻ってくる。
自宅近くの交差点に立つと、ちょうど雨が上がりかけていて、みるみる青空が広がってきた。自宅のそばの古民家のような旅館街は洗濯物が道いっぱいに干されている。郵便箱を覗こうとするが、辺り一面の洗濯物が邪魔なのであきらめる。
世界詩人会議がまた日本で開催された。前回の主催者だった詩人のA氏(故人)も元気な姿を見せている。しかしぼくは会議には参加せず、会場には行ったもののそのまま電車で戻ってくる。
自宅近くの交差点に立つと、ちょうど雨が上がりかけていて、みるみる青空が広がってきた。自宅のそばの古民家のような旅館街は洗濯物が道いっぱいに干されている。郵便箱を覗こうとするが、辺り一面の洗濯物が邪魔なのであきらめる。
川のほとりに社長室がある。社長室といっても屋外の草原である。ぼくはハンガーを持っている。家人から届けられた3着の洋服がそこにかかっている。一着目は貴族が着るような乗馬服で、二着目は白いワイシャツだが、3着目はよく分からない。しかし、社長室にこんなハンガーは似合わないので、対岸のオフィスに向かう。オフィスといっても、そこは薄汚れた古民家の納屋である。どこか柱に打ち込んだ古釘にハンマーをかけたいと思うのだが、たくさんの社員たちが行き来していて、適当な場所がない。
どこか渓谷のようなところに家がある。だがその家に入るにはカードが要る。幸い、そのカードを二枚手に入れることができた。白いカードには血のように赤い染みが一つついている。これがあれば多分あの家に入れると思うが、実際に行ってみないと確かなことは分からない。それに関係者全員の枚数が必要なので、まず全員分のコピーを作る。その家に行くためには交通機関もないので、次にそれを作ることにしようと思う。
部屋が埃っぽいので掃除機をかけている内、自分の頭もしばらく散髪していないことに気づく。自分で髪を切ろうとバリカンを手に鏡を覗くと、後頭部の左右両側に盆栽の松のような形で髪が束になって生えている。これは電動鋸で切り取った方が早い。まず右を切り、次に左を切る。仕上がりを鏡に写したいと思うが、家には全身鏡がない。外に出ると、そこは長野の善光寺。確かここに壁一面の鏡があったはずと思うが、そこは閉店したらしくシャッターが閉まっている。全身鏡はないが、軒から凸面鏡がぶら下がっている。それに写して、後頭部の散髪を仕上げたいと思うが、若い女性連れのヒッピー風の男が、その鏡の前で調髪している。ぼくが遠慮していると、女性が「鏡を独占しなくてもいいでしょ」と男に声をかけてくれ、ぼくも鏡を使わせてもらえることになった。
テレビにダーク・ダックスが出演している。リードボーカルのマンガさんを中心に美しいハーモニーを響かせている。バスのゾウさんは最近声が嗄れがちだが、今日はどうだろう? いや、ゾウさんも若々しくにこやかな表情で、豊かな低音を聞かせてくれる。あれっ? ゾウさん以外の三人は亡くなったんじゃなかったっけ? どうして四人が揃っているんだろう?!
ぼくとNとは暗殺者としてコンサート会場に侵入し、最前列の椅子に座って指示を待つ。ぼくは膝に二つの黒い鞄を抱え、不安にかられて何度も胸ポケットから指示書を取り出して読み直す。隣に座ったNが「見つかるよ」と声をかけてくる。しかし観客に知られることなくステージのピアノに鍵を差し込むなんて、どう考えても困難だ。
休憩時間にNとぼくは外に出る。雨が降っていて小寒い。Nはトイレに入り、「きみは大丈夫か」と言う。ぼくも尿意を感じるが「大丈夫」と答えて、傘を差したまま外で待つ。
休憩が終わり、ぼくらは再び会場に戻らねばならない。スキンヘッドの男がぼくらのために会場の床のスイッチを押す。石畳がずれて、少しだけ隙間ができる。そこへまずNが身体を差し入れる。その瞬間どたどたという足音がする。緊急事態が発生したらしい。急いで隙間は閉じられる。石の壁にバラ色の血痕が花が開くように滲み出してくるのを、ぼくは茫然と見つめる。
*寝入りばな、ぼくが夢を見ている様子だったので、家人が「夢を見た?」と問いかけると、ぼくは次のように答えたという。ぼく自身はその夢も、家人に問いかけられて夢の話をしたことも全く覚えていない。
大きなコンサートで、ぼくにしか弾けないギターを演奏したら、拍手喝采だった。客席にはぼくの父と母もいた。
*以下は、翌朝目覚めて、ぼく自身が夢日記に記録した夢。
広大な屋外ステージで行われたイベントを観に行く。ぱらぱらとしか観客がいない。最初真ん中あたりの席に座っていたが、もっと前に行こうと立ち上がると、おりしも司会者もスタンドマイクで「空席が多いので、皆さま前にお詰めください」とアナウンスしたところだった。ステージ前の上手側の席についたが、それでも客席はガラガラである。ただ、そこからはさっきは見えないものが見えた。ステージはそのまま天然の渚になっていて、沖から押し寄せてくる波が激しく砕け散るのである。それと並行してステージ上で行われているスポーツイベントの様子も見える。しかしカメラを向けても、そのどちらか一方は撮影できても、両方を同時に収めることはできなかった。
段ボール箱があり、中に80年代の古新聞をまとめた冊子が入っている。めくると一ページ目にぼくのことが大きく掲載されている。翌日また同じ場所に行くと、何人かの男女が来ていて、一人がぼくに「あなたのことが出ているのを知ってますか?」と言うので、「知っていますよ。昨日もここに来ましたから」と答えると、相手は驚く。
ある使命を帯びて高層ビルに上る。白い傘を10本持ってきてほしいと言われたので、10本持っていくと、先に来た人が既に4本用意してくれていた。ぼくの6本とその人の4本を持って、さらに上階へ行こうとするが、その人の傘に迷惑がかかっては申し訳ないと思い直し、その人の4本を置いて、ぼくの10本全部を持っていくことにする。
合言葉に電話番号を言えと言われる。XXX-XXXXと答えると、ハイフンの部分に3文字を入れろと指示される。慌てて「エレベーター」と言うと、「それは6文字だ」と失笑される。
旅先で海辺の町家に滞在している。窓から瀬戸内海の灰色の海が見え、岬のそばには島がある。明日は久しぶりの取材だ。今どき大きなカセットレコーダーを回すのは格好悪い。だけどデジタルレコーダーは持ってこなかったから、ノートにメモをすれば大丈夫だろう。
汚れた体を布で拭いている。ゴミ箱のような容器の中から新しい布切れをつまみだす。それは最初、ぼくのTシャツに見えた。しかも穴があいている。傍らにいる母に「穴があいたから捨ててもいい?」と尋ねると、「いいよ」と答える。しかし引っ張り出してみると、それは母親が昨日買ったばかりの服だった。上が花模様を散らした白で、下が赤いスカートのワンピースである。これは捨てるわけにはいかないと思う。
その家には小学生の姉と弟がいる。姉は明日遠足なのに水筒がないというので、ぼくの水筒を貸してやる。すると明日取材でぼくの持っていく水筒がなくなる。どこか売っている商店がないだろうか。玄関から首だけ出して四方を見回す。しかしあちこちに雑貨屋があるものの、水筒は売っていそうにない。
姉が「屋上に行けば、この家の秘密が分かるわ」と言うので、弟と共に二階へ上がる。姉は登るための足がかりに窓を開ける。そして、壁に取り付けられた手すりをつたってするすると屋上へ登っていく。弟も猿のように姉のあとを追う。そういえばぼくも一度屋上に上がったことがあった。けれど、今は掌にハンドクリームを塗ったばかりで、手すりがすべりそうだ。それにもう夕方である。逢魔が時になると、怖いことが起こりそうだ。ぼくは夕方の橙色の光に照らされた二階でひとり逡巡する。その光が不自然に強くなったと思うと、見知らぬ小学生くらいの女の子が忽然と、ぼくの前に立っている。ディズニーの3Dアニメに出てくるような顔だ。彼女はぼくを「どうして屋上に来てくれなかったの?」となじる。ぼくは「これから行こうとしていたところなんだ」と弁明する。だが怖いので、一階へ続く階段を降りようとする。しかし女の子の怒りに顔を歪めた顔がすぐ目の前に迫り、ぼくを突き落とそうとする。ぼくは「お化け!」と恐怖の叫び声をあげる。
街の舗道に菱形に区切られた、50㎝四方程度の小さな一区画がある。そこに立ったら、沢山のやるべきことがあるので、立つにはなかなかの覚悟がいる。それらのやるべきことを一つ一つクリアした後、ほっとしたとたんトイレに行きたくなった。けれどもこんな小さなスペースで用を足すことはできそうにない。